フランスの新首相は生放送で2時間の対話。

投稿日時 : 2020/09/25 15:30

Youtubeで早速公開されている番組の動画より。
この状態の生放送を120分。首相は左上と右下。

昨晩、フランスの新首相、ジャン・カステックス氏は、国営放送の夜のゴールデンタイムの討論・インタビュー番組「Vous avez la parole:発言をどうぞ」に出演。Covid-19の話題はもちろん、ブリヂストンの工場の閉鎖の話題など、現在フランスで国民が感心をもっていることにジャーナリストや専門家、問題になっているブリヂストンの工場の労働者などとも直接対話した。これを生出演で、2時間。日本とは政治も、テレビもまったく違う文化だ。

日本でも新しい首相は着任当初はテレビのニュース番組に出ていたが、あらかじめ予定されている質問をニュースキャスターや解説員とやりとりするだけだった。そもそも日本とフランスでは、政治家の立ち振る舞いも、ジャーナリストの立ち振る舞いも違うばかりか、メディアや一般視聴者・国民に対して、さらには国民の生活においての、「政治」自体の重要さが違う。極端に言えば、日本では政治に全く関わらず、関心を持たずに日本で生活できるが、フランスではそれは不可能というくらいの差がある。

本日のフランスのメディアはもちろん、この話題を多く取り上げている。

Youtubeで早速公開されている番組の動画より。
ブリヂストンの話題の場面。正面がジャーナリスト、左下二人が工場の代表。

そのなかで、さほど重要な点ではないが、メディアが飛びついている首相の発言一つが、首相がスマホアプリ、StopCovidを自身のスマホに入れていないと答えたことだ。しかも、即答で。理由を問われると、StopCovidは公共交通機関を使ったりしている場合は有効だが、自分の場合は、それはないからと苦しい返答だった。しかも、他の大臣でもインストールしていない大臣もいたことが判明。フランスでは国民にインストールを推奨しているが、現実には、6月から配布が始まったこのアプリはいまだ250万人にしかダウンロードされていないという。

日本では、このアプリはなぜか名称はわかりにくい「cocoa」という通称や「接触確認アプリ」という曖昧な表現で、政府もそれほど力をいれて推奨しているようにはみえず、メディアでも指摘もみられず、日本政府の大臣達でどのくらいがインストールしているか(それ以前にスマホをもっているか)なども検証しているようには見えない。