バブルの中から伝えられること

投稿日時 : 2021/07/19 17:30

「オリンピックのバブルの中で。東京、1日目:空港から出るのになぜ9時間もかかったのか」
Libération紙のウェブサイトより。

日本で報じられ始めている東京五輪の周りの風景(周辺店舗や住民の反応など)は、外国人報道関係者は原則伝えることができないが、逆に、バブル方式の中にいる外国人の様子は日本の報道機関は直接知ることができない。

そこで、フランスのメディアでオリンピック関連の話題でまず報道されはじめているのが、現地じゅざいのために来日し始めたメディア関係者の扱い自体だ。

すでにメディア用のプレイブックでもわかっており、日本のお役所的で、フランスでいうなら「カフカ的な」「水際対策」の混沌さはわかっていても、現実はやはり大変なようだ。

どのメディアでも、やはり結論としては、意味がなく、ざる状態の検査や手続きなのに、空港を出るのに五時間とか、九時間もかかっているという。そもそも英語すらできない日本人が多く対応していたり、ちょっとした手続きのミスなので、23日間の取材期間なのに、本来は3日間の隔離期間が14日に変更されたり。

さらに、日本国民がもっとも恐れているウイルスの持込についても、結果的に陽性になるかもしれない人たちと何時間も同じ空間にいることになっていたりするという。あるフランスメディアは、ある別の国の選手と同じ飛行機だったが、その国のアスリートたちはマスクもせずに機内でおしゃべり、機内ではだれも注意する人がいなかったという。もちろん成田でも同じような行動であったが、成田でも日本人スタッフからも注意はなく、他のオリンピック関係者と同じように検査や審査を待っていたという。たまたまそのチームからは感染者がでなかったというが、もし陽性者がいたら、機内や空港内でかなりの数の人に感染させていたはずだ、と報じているフランスのメディアがある。

もうとっくに「復興五輪」ではなくなった東京五輪、「Omotenashi」からもほど遠くなった東京五輪。世界は、フランスは、どのようなネーミングにするだろうか。