フランス大統領はトンネルの出口を示す

投稿日時 : 2021/04/01 17:30

「4月は綱渡り、5月は……。」
4月1日のLibération紙の表紙。

昨晩、予告通り、テレビ演説で新しい感染症対応策を発表したフランスの大統領。24分のテレビ演説の内容は日本でもまとめられて取り上げられるほど大きなニュースになっている。

もちろん、フランスでも昨晩から、今朝も早くから、この話題ばかりといってもよい。さまざまな解説やコメント、リアクションがある。

やはりかというのが、学校の閉鎖。やはり、フランス全土の学校(幼稚園、保育園から高校まで)が閉鎖となった。「少なくとも」3週間だが、もちろん感染状況次第。移動制限もフランス全土に。

日本では、フランスのより「厳しい」制限に重きが置かれており、フランス国内では特に全国で一斉となった学校の閉鎖による影響(子どもたちが家にいることで親の仕事に与える影響など)などが語られている。フランスに住んでいる人にとっては、学校の閉鎖やさらなる店舗の閉鎖、移動制限は切実な問題だが、フランスの外から、マクロン大統領の演説を聞くと、ロードマップを示したことはある程度評価に値するだろうか。

フランスではすでに第一回目のワクチンを受けたのは850万人。二回目も受けたのは300万人。六月中旬からは18歳以上の全てのフランス国民が接種を受けることができると大統領は明言した。さらに、もう半年近く閉まっているレストランやカフェも、段階的に5月半ばから再開できるようにするとした。文化施設やイベント会場もしかりだ。

もちろん、こうした「希望の光」についても、批判的な意見もある。「言葉だけだ」、「ごまかしだ」というものから、冬の決断の「反省がない」、「経済支援、対策は考えていない」など。しかし、オリンピックについても、ワクチン接種についてもロードマップが示されない日本から見ると、このリーダーシップはうらやましいかもしれない。

Libération紙の表紙のリード文では次のようにまとめている:
水曜の夜、エマニュエル・マクロンが発表したのは、最低3週間の学校の閉鎖と、移動制限のフランス全土への拡張。すべては、5月には「トンネルの先」が見えるとちらつかせながら…。

Libération紙のサイトより。「マクロンの発表:これは再コンフィヌモンではない」