高速道路建設は環境問題。

投稿日時 : 2023/04/25 17:30

「トゥールーズとカストルの間、高速道路A69の反対運動2日目」
地方紙Ouest Franceのウェブサイトより。

先週末、フランスのメディアが大きく取り上げていたのは、マクロン大統領がアルザスに赴いた際にあった抗議運動で、大統領がいる場所に入るには厳重なセキュリティチェックがあり、鍋などが持ち込み禁止になったり、その後、県の法令で、「音が出る手持ちの装置(dispositif sonore portatif)」が禁止されるなど、新年金制度への反対の動きが報じられている。

新年金制度への反対運動は、ストライキやデモなどがフランス全土で単発的に起こり続けているが、そんななか、先週末にあった大きなデモは、南仏、トゥールーズ周辺で建設が予定されている高速道路A69に反対するものだった。

週末には数千人が集まり、エコロジー的に許されない高速道路の建設の反対を訴えた。

この高速道路は全長53kmで、24の自治体を通るもので、2025年末には完成予定のもので、地方の孤立化を緩和し、経済的・交通的な開発を目的とするという。反対派からみれば、これは30年以上の計画で、現在の環境問題や経済社会問題を考慮すれば、時代遅れだという。また200本近くの木々が倒木され、付近の農業にも影響が大きいという。

交通大臣は、この計画について再検討するとは表明しているものの、すでに計画は決定しており、契約も締結している状態だという。

こうした新年金制度以外にも、フランス国民の不満がつのる問題はあり、夏までのフランスのイベントカレンダーでも、5月のローランギャロスやカンヌ映画祭、7月のツールドフランスなど、国民が政府への不満を何らかのかたちで表明するとされている。