新しいフランス語:casserolade

投稿日時 : 2023/04/26 17:30

「サルゾーでは、月曜日、市役所前に60人が集まって“casserolade”」
地方紙Le Télégrammeのウェブサイトより。

先週のマクロン大統領のテレビ演説以来、フランスの各地では、大統領や官僚が訪れる場所や、デモの際に、鍋などの金物や、空き缶などをたたいて音を出して反対を表明するのが流行っている。

そして、メディアでも「casserole(カスロール:鍋)」から転じて、「casserolade(カスロラード)」という新しいフランス語も目にするようになった。-adeをつけることで、名詞を作るシステムで、すでにあるフランス語だと、「rigoler:冗談をいう、ふざける(動詞)」が「rigolade:冗談、戯れ(名詞)」となるように、「カスロラード」も、最後の「ラード」は「おふざけ、戯れのリゴラード」と同じ音で、あえて日本語にすれば、「鍋遊び」「鍋ふざけ」となるだろうか。

また、フランスのIKEAは、この流行に乗って、4月21日、SNSで、IKEAの鍋のプロモーションを投稿し、「この値段だったら、大きな音がなるでしょう(うわさになるでしょう)A ce prix-là, ça peut faire du bruit」というキャッチフレーズをつけた。

ところで、この鍋をたたいて不満を表明するのは、フランス革命後の19世紀に遡るといい、専門家によると、さらに遡れば、中世の習慣にもあったという。