ストライキの経済的影響

投稿日時 : 2020/01/16 18:15

「年金制度改革問題:ストライキで、RATPは2億ユーロ、SNCFは8.5億ユーロの損失」
20 Minutes紙のサイトより。

フランス政府発表によると、12月から続く鉄道ストライキで、RATP(パリ鉄道公団)とSNCF(フランス国鉄)は、それぞれ2億ユーロと8.5億ユーロの損失を被っているという。これは昨日、水曜日の午後にフィリップ首相とそれぞれの鉄道会社の代表が会談したあとの発表。

先日、それぞれの鉄道会社は、12月の定期代金の払戻を決め、専用のサイトを公開している。これも自治体からの強い要請を受けてのことだと言われている。この払戻の総額も含めてのことかわからないが、大きな数字であることはかわらない。

しかも、これはあくまでも鉄道各社での損失だけなので、クリスマス商戦からソルド期間まで続くこのストライキ状態が及ぼす経済効果はどのほどのものだろうか。とくに、パリの外食産業などは大きな影響を受けているというニュースもよくとりあげている。これは、レストランなどに来る客が減っているというだけではなく、そこで働く人の通勤が難しかったり、流通の停滞などで材料不足などもあるという。

現在進行形なので、今回のストライキが最終的にどのくらいの経済的影響があるのかわからない。しかも、特に影響を受けているのがパリとその近郊なので、フランス全土ではどうなのだろうか。1968年5月はさらに大規模なストライキだったが、実は経済的にはストライキが終わった後に経済活動は逆に活発になったという数字もあるので、ストライキ後に反動で逆に好転するかもしれない。

年金制度改革問題は、首相が組合側に歩み寄りを見せたが、組合側は妥協せず。ただし、鉄道ストライキはかなり緩くなり、鉄道ダイヤも平常に戻りつつある。これには、ストライキをしている鉄道職員などが収入がなく、経済的に困難になってきているとか、あまり長引かせると、まだ好意的な一般市民からも反発されかねないとかいう意見がある。

本日も組合側は大規模なデモを予定しているが、どのくらいの人が集まるか。さらに来週も22日から24日にかけてデモを計画している。組合側は、交通ストだけでなく、他のかたちでの意思表明も組合側は考えているという。

そして政府側もおそらくいろいろな手段で対抗しており、昨日のこの政府発表も、実はメディア戦略の一環といえるかもしれない。