パリは緑色

投稿日時 : 2020/01/14 18:30

「パリ地方選挙:イダルゴ氏は自らの“基盤はエコロジー”と表明」
L’Express誌のサイトより。

月曜日、現パリ市長のアンヌ・イダルゴ氏は、3月に行われる地方選挙で、パリ市長の二期目を目指しての出馬を表明し、会見を開いた。

そこで「基盤はエコロジー」と断言。2月には具体的な提案を発表するとした。これでパリ市長に立候補しているのは10名となったが、基本的にすべての候補者が内容や言い方は違えど、「エコロジー」に関する提案をし、それを政策の目玉としている。

この3月のフランスの地方選挙は、地方議会議員を選び、議員がその地方自治体の長(市長)を選ぶという選挙で、6年ごとに一斉に行われる。昨年亡くなったジャック・シラク元大統領もかつてはパリ市長であったように、パリ市長はそれなりの重要な役職だ。そして任期が6年ということは、2024年のパリ・オリンピックも視野に入り、それまでのパリの変貌を担うことになる。

イダルゴ氏は、戦略的に一番最後に立候補を表明したとされるが、すでに他にもエコロジー政策を前面に出している候補がいるなか、いまさら「エコロジー」を持ち出しても、そもそもエコロジーは、日本で言うと「景気対策」くらいに基本的な政治課題であり、それが基盤であるのは当然で、よほど訴えかける具体策を提示しないと響かないと言われている。

これは他の候補も同じで、エコロジーを目玉に取り上げたり、ポスターに緑色を使っていて、まさに市民の環境問題に対する関心が高いことを受けてなのだろうが、そればかりというのはどうかという疑問を呈するメディアもある。さらに、現市長の場合、また60歳という年齢も、候補者のなかでは「高齢」でけしてプラスのイメージにはならないという意見も見られる。さらには現市長ということで、もちろんこの6年の成果もあるだろうが、批判も出てくる。

いずれにせよこれで、新しいパリ市長の候補がそろったことで、政策議論がされ、特に環境問題関係では、競い合うことで、パリはよりエコロな都市になっていくことはおそらく間違いないだろう。

オリンピックを夏に控えた日本でも、オリンピックの直前に東京都知事選挙があるが、候補の顔ぶれも、提案される政策も、そこから見える将来の都市像も、まったく状況は違うように見える。