大統領の演説

投稿日時 : 2023/04/18 17:30

「エマニュエル・マクロンのテレビ演説:“現実を見ていない”、“認めていない”、“より正しい国家へ”…。大統領の発言のあと、各政党のリアクション。
ニュース専門ラジオ局France Infoのウェブサイトより。

昨晩20時のマクロン大統領のテレビ演説のあと、各メディアでは当然、主要なポイントのまとめや、各政党や労働組合のリアクションを紹介している。

与党側はもちろん、大統領の発言を支持し、これで「より正しい国家」に向かうと賞賛しているが、他の全ての政党や、年金制度改革で反対し続けている労働組合などからはもちろん、程度の差はあるものの、それなりの批判がでている。

昨晩は、マクロン大統領の演説中も、その後も、フランスの各地で、ゲリラ的なデモなどがあり、放火があったり、機動隊が催涙弾を投げるなど、リヨンでは警察署が放火されるなど、それなりの騒ぎがあった。

肝心の大統領の演説だが、今後のフランスの方針として、三つの大きな計画を挙げたが、年金制度改革については、組合側などとの円満な合意が得られなかったことは残念だとしながらも、この改革は必要だとあらためて訴えた。三つのポイントは、雇用環境の改善、司法と治安維持の改善、そして教育と健康の分野での改善だ。大統領は大きなロードマップを提示しただけで、詳細は来週以降、首相が発表するという。

そして、100日後、7月14日に進捗を確認するという。

メディアでの解説やコメントもかなり批判的で、昨年の再選以降、マクロン大統領はフランスの現状を理解しておらず、それに即した対応ができていないというような見解が多い。

なんとかコロナ禍はやり過ごしたものの、ウクライナ戦争も継続中で、インフレもまだまだ続きそうなフランスで、大統領や政府の方針が国民に受け入れられない状況がどこまで続くのか。5月1日の大規模デモ・ストライキまで、そしてその後がポイントだろうか。