インフルエンサー@フランス

投稿日時 : 2019/04/10 19:00

フランスでも人気のインスタグラム、フランスの利用者は1700万を超えるという。

4月6日(土)に、France 2で放送されたドキュメンタリー番組、「Tout compte fait」では、インフルエンサーを取り上げた。

インスタグラムは、フランスでも日本と同じく、若者を中心に人気のSNSだ。そこでこの番組が取り上げたのが、日本でもよく耳にするようになった「インフルエンサー」の実態。

最初から、「インフルエンサー(フランス語でも influenceurs / influenceurse、発音もフランス語風になる)」とは、広告と見せずに広告をする人と紹介。ファッションが好きで、最初は個人的なブログをやっていたフランス人女性が、「インフルエンサー」としてブランドなどから報酬をもらって、商品をつかった撮影をしているところを紹介。

次に、このインフルエンサーの「影響力」の大きさを受けて、パリで2009年に設立されたインフルエンサー専門のエージェントを取材。影響力のあるインスタグラムのアカウントを見つけ、新しいインフルエンサーを発掘、そして多くのインフルエンサーとブランドやメーカーなどの企業との仲介を行っている。

こうして現在の新しいビジネスの全体を紹介した後は、問題点として、アルコールの扱いについて取材。

フランスでは、そもそもアルコールの広告は、Loi Evanという法律で厳しく制限されている。アルコール(タバコも)は、楽しく飲む場面などをイメージするものは禁止(日本のようにお花見でビールを飲むような広告はアウト)で、さらにお酒は健康に害するというような表記もはっきりとしめさないといけない。さらに、そもそも、広告は、はっきりと広告と認識されるようにしなければならず、そもそも、インスタグラムの投稿でもはっきりと、スポンサーがいるとか、広告であると明記していなければならない。

ところが、インスタグラムのような新しいテクノロジーは、いわばグレーゾーンで、担当の役所も、取り締まることは不可能という。

そこで公然と(?)フランスのインスタグラムに蔓延しているのが、お酒の写真を載せているインフルエンサー。ビーチやパーティーで楽しそうにお酒を飲んでいる写真が、スポンサーがいるとも、それが広告であるとも明記せずに、投稿されているという。番組では、そうしたインフルエンサーの一人に突撃取材、さらにその人がエージェントに属していたので、そのエージェントにも突撃取材。その後、その人の投稿には、「お酒の飲み過ぎは…」という注意書きが入り、エージェントの契約には、「Loi Evanを守ること…」という文言が追加されたという。

TV取材のあとに「飲みすぎは健康を害します」という文言が付け加えられたインフルエンサーのインスタ投稿。

それでもこれは氷山の一角。だが、企業の70%がこのようなインフルエンサーを使った宣伝をしているという。