テロと精神疾患

投稿日時 : 2023/12/05 17:30

「パリのテロ事件:内務大臣が問題にする精神疾患フォローアップ」
Libération紙のウェブサイトより。

先日、ドイツ人の観光客1人が死亡した事件。フランスのメディアでは、これで外国人観光客がパリにこなくなるという報道もあれば、事件にもかかわらず、外国人観光客はパリを訪れていると報じるメディアもあったり、様々な報道がされている。

犯人が過激イスラム主義に傾倒していたことや、過去にテロ攻撃計画で禁固刑を受けた後も要注意人物とされていたこと、精神疾患のフォローアップが必要であったが、義務ではなくなっていたことなど、様々なポイントで話題になっている。

そしてダルマナン内務大臣は、精神疾患のフォローアップが必要な要注意人物(今回のような、反社会的な過激思想の持ち主だけではなく、家庭内暴力、そしてストーカー行為をする者なども対象になる)への対応が「失敗」だったと、精神科医やカウンセラーが役割を果たしておらず、警察がより厳しい対応をすべきだと発言し、議論になっている。

ただし、テロ事件につながるような、過激派思想の持ち主がすべて精神疾患があるというわけでもなく、精神疾患があるからテロ事件や殺人事件を起こすわけでもなく、様々な線引きは難しいだけではなく、どこまでが警察や行政が関わるところで、どこが医療機関などが関与すべきかなど、難しい問題ではある。