フランスの目は、地球にも向いている。

投稿日時 : 2020/09/10 18:00

「脅かされている場所:WWFの報告によると、
近年の脊椎生物の減少の原因は人間の活動だという」
本日付の20 Minutes紙の表紙。

日本では国民が参加しない与党の党首選び関連の話題と、Covid-19については日ごとの感染者数のみが報じられるが、本日のフランスのメディアが取り上げている大きめのニュースの一つが、世界自然保護基金(WWF)が昨日発表した報告書の話題だ。

それによると、50年近くで、脊椎動物の2/3が絶滅したといい、警鐘を鳴らしている。この報告書hは2年ごとに出されているもので、2014年は、52%、2016年は、58%、2018年は、60%、そして2020年は68%。

報告書によると、これは人間の生活様式、とくに食料生産の影響が大きいという。(いまのことろ)気候変動の影響は第一の原因ではなく、人間の農業のやり方が問題だとされる。

フランスは、環境問題にたいする意識が高い、というだけではなく、21世紀の生活様式、21世紀の世界、地球で生きるということを考えているということだ。日本で言う「地産地消」だけでなはく、CO2排出削減、プラスチック排除などは、もはや環境問題ではなく、生活、社会、生き方の問題で、先日フランス政府が発動した「France Relance(フランス復興)」という復興政策の1/3が環境関連なのもそういう「新しい生活」を国民も、その国民の意をくむ政府も考えているということだろう。

画像は、無料新聞の表紙だが、パリの地下鉄の入り口などで配布されているこの新聞、宅配制度がないフランスで、よく読まれている新聞だ。(ちなみに有料のLe Figaro紙の発行部数が20万ちょっとなのに対し、無料の20 Minutes紙は50万部近い)それの表紙がこの話題。タイトルは、生物の種(espèce)と場所(espace)をかけていて、危機に扮している生物と、危機に扮している場所・地域をかけ、生物の生存が脅かされているのは、彼らが生きている場所が(人間の活動で)脅かされているということだ。