門松は環境に悪いのか。

投稿日時 : 2020/09/11 18:00

「ボルドーのエコロジー市長は、“死んでいる木”だとして、クリスマスツリーを廃止」
仏版Huffpostのサイトより。

日本でもそろそろ正月のおせちの予約が始まっているが、フランスはノエル(クリスマス)に向かっている。六月の選挙で初のエコロジー政党からボルドーの市長になった、ピエール・ユルミック氏は、10日の記者会見で、今年から、クリスマスシーズンにボルドーの広場などのデコレーションでクリスマスツリーは設置しないと発言した。

環境意識が高いフランスでは、ここ数年、クリスマスツリーは問題視されており、再生可能な人工のもの、純フランス産の自然なもみの木がよいとか、生産者のことなど、様々な視点から議論されており、エコロジー政党にとっても一つのやっかいな問題であった。

ボルドー市で初のエコロジー市長は、就任からエコロジー政策を打ち出しており、街の緑化計画などをすでに発表している。クリスマスシーズンに街に「魔法をかける」というクリスマスツリーについては、「死んだ木(arbre mort)」とし、クリスマスツリーのかわりに「Spectacle vivant:(直訳で“生きている演芸”)ライブの演芸(芝居、ダンス、演奏)」を街の広場などで提供するという。

あえて日本で例えると、門松を環境に悪いからと廃止するようなものだろうか。ただし、いまでは日本でも門松はほとんど見かけないので、フランスのクリスマスツリーよりもインパクトは少ない。あるいは、桜の木の下の花見宴会は桜の木の根などに悪影響だからと、ある市の有名な花見スポットを意識高い系の市長(日本でエコロジー政党の市長が出ることはいつだろうか)が宴会禁止にするようなくらいのこと、といったほうがわかりやすいかもしれない。

もちろん、ボルドーの新市長のこの方針、早速、SNSなどでは軽く炎上しており、クリスマスツリーがない年末はなんの情緒もないとか、コロナ禍で困窮しているアーティスト達にはよい案だとか、反対も賛成もいろんな声があり、ほかのことをやれという声ももちろんある。

フランスでは急増しているCovid-19の感染者、重症患者数に危機感を抱いた政府が早速本日にも新たなる対策を発表するが、それでも、夏のバカンスが終わったフランスは、今度はクリスマスに向かっている。