感染症と下水道

投稿日時 : 2020/11/17 18:00

「コロナウイルス:イル・ド・フランスの下水のウイルス濃度は減少」
国営地方ラジオ局France Bleuのサイトより。

コンフィヌモン第三週のフランス。わずかに改善の傾向はみられるものの、一部の小売業は12月1日からの営業再開に期待をよせるなか、おそらく外食産業は年内の営業再開は不可能で、外食産業の半分は閉店に追い込まれるとの見込みも話されている。

冬を迎え、フランス人の元気はなくなっていくような話題ばかりだ。ワクチンの開発のニュースすら、懐疑的な見解が目につく。

そんななか、ワクチン以外の光明は、下水道の検査からもたらされた。これは、いくつもの研究所などが集まるネットワーク、Obépine(オベピーヌ)が発表したものだ。Obépineとは、Observatoire épidémiologique dans les eaux usées(下水道疫学観測所)の略で、フランス全土の下水道を検査し、ウィルスの濃度を3月から毎週二回、測っているという。

最新の数値によると、下水道のウィルス濃度は低下傾向にあるといい、第二波の直前には逆に数値があがっていたという。この数値は、すでに使われている検査数、新規感染者数、重症患者数、死者数などとあわせて、客観的・科学的指標となるだけではなく、PCR検査などで陽性が出る以前のウィルスも検知できるので、感染拡大の兆候がよりはやくわかるという。そして今後は、第三波がくるのを未然に防ぐことができる可能性があるという。専門家によると、検査での新規要請者数が判明するよりも、5-6日以前にわかり、入院患者の発生からは2週間前に予測できるといい、うまくこの数値を分析できれば、感染症拡大の武器になるとされる。