原子力頼みのフランス

投稿日時 : 2021/10/12 17:30

「我々、ヨーロッパ市民には、原子力が必要です!」
Le Figaro紙のウェブサイトより。

本日、マクロン大統領は、300億ユーロ規模といわれる「フランス2030」という投資計画を発表することになっている。そこでも、将来の重要な産業として、小型モジュール原子炉(SMR:Small Modular Reactor)が言及されるという。

日曜日に、フランスを含む10カ国のEU諸国が共同で声明を出したが、フランスは経済大臣がサインした。これは数ヶ月後にヨーロッパで提案される気候と環境に優しいエネルギー政策の方針を踏まえたものだ。

マクロン大統領は当選時から原子力発電については、あいまいな態度をとっているとされる。一応、前大統領が約束していた廃炉は引き継いだものの、原子力発電について好意的な発言もしている。そして、ガス料金や電気料金の上昇もあり、原子力発電は、「安全で、カーボンフリーで、効率的だ」などといわれる。

最近では、洋上風力発電についても、確かに再生可能エネルギーだが、実際は効率が悪いばかりか、風力発電機を造るのに莫大なエネルギーを使い、使った物資も再利用可能ではないなどという話もでている。

ただ、ヨーロッパ内でもドイツなどはまったく逆の立場だったり、もちろんフランス国内でも原子力発電をカーボンフリーだからクリーンエネルギーだとするには抵抗がある人も多い。原子力発電、あるいはエネルギー政策が2022年の大統領選挙の大きなテーマになるかはわからないが、これからのフランス、ヨーロッパの大きな問題であることは間違いないだろう。