パンデミックと文化

投稿日時 : 2020/03/19 18:00

「外出禁止の場合の読書の力:本屋も図書館も閉まっているなかどうやって本を見つけるか」
国営ラジオ局France Infoのサイトより。

COVID-19こと新型コロナウィルス対策の外出禁止3日目のフランス。様々なニュースが飛び交っている。

フランスもイタリアと同じくらい、それ以上に影響が拡がっている。そんななか今朝のニュースで目をひくのが、一連の文化人たちの動きだ。

3月の早い時期にすでに中止が決まったブックフェアだが、文学・出版界からは、マクロン大統領が16日のテレビ演説でもいったように、この機会に本を読もうと呼びかけている。日本でも学校が一斉休校になったときに少し図書館などの話題をとりあげていたが、全国民の外出自粛が決まったフランスでは、さらに大きく読書のすすめが拡がっている。オンラインでも電子書籍の購読が50%オフになっている。

「読書は、倦怠と隔離と闘う最高のワクチン」、「精神にとって読書は、肉体にとっての運動と同じだ」、「読書とは友情である」、「よい本は、良い友だ」、「小説を読むことで共感の感性が養われる」、「不安とストレスの治療薬」と、作家や心理学者などは、読書の徳を訴え、SNS上でもお勧めの読書案がやりとりされている。

また、日本もそうだが、コンサートが中止になったアーティスト(クラシック、ロック、ポップ、さらにはDJも)たちは、オンラインで音楽を配信しはじめ、SNSではハッシュタグ EnsembleALaMaisonで、アーティスト達が音楽を提供している。日本は大きな劇場や芸能事務所単位が目立つが、フランスはアーティスト個人の活動が目立っている。

また、オンラインの登録制ポルノ映画サイトもこの期間中は無料で視聴できるサービスを始めたことも話題になっている。

その他のCOVID-19関連の動き:
・外出規制の違反の罰金だが、初日は大目に見ていて38ユーロだったが、二日目には135ユーロに。その二日目ですでに4000以上の違反者がいたという。街中ではマスクをつけていない警官と市民が至近距離ではげしく口論している場面も。
・こうした警官などの一部が、働く環境が悪い(マスクがないなど)として、「働かない権利」を主張。警官だけではなく、医療関係者や郵便配達員でも自らの健康の安全が確保されないとして「働かない権利」を主張して働かないというケースも。
・政府は、各省庁(保健省、文化庁、経済省、軍隊など)がそれぞれの分野での対応策を発表。
・本日はフランス名物の朝市が開かれている場所もあり、それなりの人が来ている。
・テレワークの拡がりで、悪質なアプリやウィルス(インターネット)も出回っているという。
・日本が東京五輪にこだわっているように、フランスは夏の風物詩でフランスを代表するスポーツイベントであるツール・ド・フランスについては、また決めきれずにいる。ローラン・ギャロスやルマンは延期となったが、ツール・ド・フランスについては、やはり東京五輪のように、フランスにとっては難しい問題のようだ。