フランスの極左政党とハマス

投稿日時 : 2023/10/11 17:30

「ハマス・イスラエル戦争:国会では極左政党LFIが孤立状態」
Le Point誌のウェブサイトより。

昨日、フランスの国会では政府への質疑があったが、その冒頭、議長が、「友好国」であるイスラエルに対して「国民の代表として」「無条件の支援」を表明して、国会議員たちが起立して拍手をしたが、極左系政党LFI(不服従のフランス)の議員は、参加せず。

先日、国会にトコジラミを持ちこんで発言していたマチルド・パノ氏もしかりで、フランスではメディアでも政治家も、今回のハマスの攻撃を「テロ攻撃」としているが、「テロ」と言う言葉を使うのを拒否、ガザ地区でも多くの市民が殺されているなどの発言をしている。

こうした態度は、フランスの同じ左派系グループからも反発がでており、年金制度改革問題のときには勢いがあった極左政党LFIだが、国会でも国会外でも、極左政党の政治家の発言によって、かなり孤立してきている。さらにそれに乗じて、反対の極右政党は、普段はあまりない多数派の側で声を挙げている。

日本でも今回のハマスの「テロ攻撃」の重大さをそれ相当に報じられてきているが、フランスのメディアでは、今回は「ホロコースト」や「911」に並ぶほどだという取り扱いで、ガザ地区へ連れ去られた「人質」についても、専門家の解説ではすでに「死亡した」と考えなければならないなど、深刻な戦争状態の厳しい現実が伝えられている。

そしてフランス国内でも、ユダヤ人コミュニティも大きいだけではなく、反ユダヤ主義も歴史的にも現代的も根強いために、今回のテロ攻撃で緊張感が高まっている。