フランス(人)の「新しい生活様式」を理解する

投稿日時 : 2020/05/12 17:00

「その後の世界で消費すること」
5月12日付 Le Monde紙より

フランスで始まった隔離解除(デコンフィヌモン)。パリ市民はいきなり(当然)サンマルタン運河沿いに集まるなど、外出許可がいらなくなったことで、多少やりたい放題になっている感もある。西部では新たにクラスターが発生など、安心できる状況ではない。

「交通:隔離解除で自転車は加速する」
5月11日付 L’Humanité紙より

それでも新しい世界が始まっている感じはしている。この数週間でフランスの都市部を中心に合計1000km以上の自転車レーンが整備されているという。現在(covid-19以前)、交通手段で自転車が占める割合は3%で、2024年(パリオリンピックの年)には9%にする目標だったが、これが今年の9月には達成されるくらいの変化がおきようとしている。

さらに消費についても。日本では居酒屋やカフェなどの外食産業の話題がよくとりあげられているが、フランスでは特定の業種ではなく、人びとの消費活動そのものについて議論されている。自転車がエコロジー的な考え方で注目されていたように、消費についても、それまでの傾向がさらに進む可能性がある。

つまり、グローバルなサプライチェーンから、ローカルな生産とローカルの消費へという動きがある。そして、インターネットを使ったテレワークや通販、そしてオンラインレッスンやオンライン飲み会などが、今後さらに拡がるだろうとされている。さらに、外食産業の再開はまだ決まっていないが、二ヶ月以上レストランにも、カフェにも、バーにも行か(け)なかったフランス人がどういう行動(消費)をするのかはまだわからないが、以前と同じというわけにはいかないだろう。

地域に密着することと、どこにでも繋がる技術の活用とは、一見相反するようにも見えるが、この二つがフランス(人)の「新しい生活様式」を理解するポイントになるだろう。