来年の夏を見ているパリ

投稿日時 : 2021/06/23 17:30

「ラ・サマリテーヌはいよいよお披露目」
Le Monde紙の紙面より。

待ちに待った日常の再開まであと一週間となったフランス。1か月先の東京五輪もまだ不透明な日本とは逆に、よい雰囲気か続いている。

そこで、16年間もの大規模リフォームの後に新装オープンというより、生まれ変わって営業を再開するのが、パリの老舗デパート、ラ・サマリテーヌだ。フランスのLVMHグループが所有することになり、日本人の建築家ユニットSANAA(妹島和世氏と西沢立衛氏)が設計と担当し、全く新しくなったという。ラ・サマリテーヌの建物自体には、デパートだけではなく、オフィススペースもあり(リヴォリ通り)、ホテル(セーヌ川沿い)もあり、さらにパリ市からの要求で公営住宅と託児所もあるという。

デパートについては、超高級ブランド街のモンテーニュ通りと若者のマレ地区の間に位置するように、その二つの間というが、それでもどちらかというと高級志向で、ファッションや化粧品が並び、化粧品はヨーロッパでも有数の品揃えになるという。レストランも12軒あり、軽い夕食を食べられるという。免税コーナーも充実させており、当面はフランス国内やヨーロッパの顧客がメインだが、来年の夏以降に戻ってくると予想している中国人を始め(もはや日本人ではない)、アジアからの観光客への対応も充分としている。

メインの顧客層は、フランスへのインバウンドの外国人観光客だが、その本番に備えて、いまから国内・ヨーロッパ向けに営業を始めたとされる。

ただ、フランスでは、コロナ禍でも、経済危機の影響を全く受けない(ほどの)お金持ちたちは、お金を使いたくて(「お金を使う」という感覚すらないだろうが)たまらないらしく、高級品はよく売れているというので、LVMHがラ・サマリテーヌの再開を決めたのも当然かもしれない。