デモの香り

投稿日時 : 2023/02/07 17:30

「年金制度改革:メルゲズの匂いがすればデモが近い理由」
20 Minutes紙のウェブサイトより。

本日は3度目の年金制度改革反対の全国デモ・ストライキ。昨日から国会本会議も議論が始まったが、事態は膠着状態というか、新選すると言えるにはほど遠く、組合側のデモ・ストライキも今日の次は土曜日にも予定されていたりと、本日もそれなりに大規模なデモ・ストライキが予想されているが、さすがにフランスのメディアもネタが尽きてきたようだ。

そこで、無料日刊紙20 Minutesが取り上げたのが、フランスのデモでよく見られるメルゲズ(la mergez)について。

北アフリカ、マグレブ地域の料理で、マトンや子羊や牛の肉にスパイスを混ぜて作られたソーセージで、バカンスや休日のバーベキューなどでは定番で、価格も安く、フランス、特に庶民層にはソウルフードといってもよい。安い理由は、マトンや子羊、牛の肉だが、販売場所によってはどんな肉が使われているかわからず、他の調味料もしかりという。

20世紀初めのストライキなどでは、炊き出しスープが主流だったが、20世紀後半のデモやストライキでは、メルゲズが台頭してくる。役だけでよく、指でつまんで食べられるという手軽さがある。組合などが用意するデモ隊の先頭や後方の応援カーの周辺では、メルゲズを焼いたり、ビールやカフェ、フライドポテトやパエリアなども用意されることがあるが、焼かれたメルゲズの匂いはやはり一番引き立っており、フランスのデモを象徴する匂いだという。

逆に言えば、富裕層などからは、このメルゲズとそれが象徴するものは、蔑まれるようなものになることもある。コロナ禍の前は、ジレ・ジョーヌ運動でも、ロータリーなどで抗議活動をしていた「ジレ・ジョーヌ」たちもメルゲズをよく焼いていた。