フランス大統領選2022の$グリーンが決定

投稿日時 : 2021/09/29 17:30

「大統領選:ヤニック・ジャド(と穏健派)がエコロジストの予備選挙に勝利」
L’Express誌のウェブサイトより。

日本のメディアが一政党の代表選を取り上げている間も、フランスでは来年の大統領選挙の話題が尽きない。先週末は、日本では人気漫画の劇場版の視聴率がよかったのに対し、フランスで先週末に高い視聴率をとったのが、一対一の政治討論番組。

もちろん生放送で、プライムタイムに2時間近く。対峙したのは、すでに大統領選への出馬を表明している極左系政党、La France insoumise(フランス不服従)の代表、ジャンリュック・メランション氏と、大統領選へは出馬表明していないものの出馬をちらつかせているジャーナリスト・論評家のエリック・ゼムール氏だ。ゼムール氏は極右的な発言が多く、今回の討論でも、「すべてのイスラム教徒はテロリストではないが、テロリストは全てイスラム教徒ですよね」などの問題発言を連発。対するメランシャン氏も、極左的な激しい発言で知られており、まさに「政治ショー」を繰り広げた。

そして週明け、大統領選に関する大きな話題の一つが、エコロジー政党が予備選挙の結果、大統領選への候補を決めたことだ。選ばれた、ヤニック・ジャド氏だが、決選投票でわずか2000票あまりの差の、51.03%で、もちろん等としては一丸となってという形だが、今後はさらにいくつものハードルがあるという。

まずは、すべてのエコロジー系の支持者をまとめることが必要とされ、さらには大統領選への決選投票を見据えての戦略も求められる。もちろん、自らが決選投票まで進み、マクロン現大統領との一騎打ちが理想だろうが、他の左派系候補が残った場合でも、次の政府でより有利な立場になるように指示を広げることが求められる。

いずれにせよ、党内でのコンセンサスは一応できたので、次は社会党系候補の現パリ市長で、やはり環境政策の実績とビジョンを打ち出してくるイダルゴ氏との差別化なども求められる。

ジャド氏はすでに昨日の勝利宣言の演説で、すでに全てのフランス人の大統領であるべく、左派支持者でも、エコロジー政党支持者でもなく、全てのフランス人に向けて語りかけた。

2022年春のフランスの大統領選、これで主な立候補者は、現大統領のマクロン氏の正式発表と、あえて出馬を明言しないエリック・ゼムール氏の動向が決まれば登場人物が勢揃いということになるだろう。