ムッシュー・Z

投稿日時 : 2021/09/30 17:30

「不思議なムッシュー・ゼムール」
月刊誌VSDの表紙。
リード文は「マクロンに立ち向かうUFO。彼によって状況が変わる。彼の思想、陰の支援、お金」

2022年のフランスの大統領選への正式出馬は表明していないのに、連日フランスのメディアを賑わせているエリック・ゼムール氏。日本ではもちろん、世界でもほぼ知られていないが、フランスでは知らない人はいない。

大統領選への正式発表をしないのは何らかの戦略や思惑があってのこととされているが、フランスのメディアはまんまとその策に引っかかっている状態に見えなくもない。(という分析をしているメディアも含めて)

テレビの討論番組などに呼ばれれば、視聴率はとれるし、話題になる。新聞や雑誌でもしかり。フランスの主要月刊週刊誌の一つ、VSDも最新号で大きく取り上げた。全136ページのうち、見開きで10ページの特集だ。

メディアでの発言。黄色の部分だけを訳すと(左から):
「あなたたちの避難民キャンプなんてどうでもいいです。彼らは自分たちのところに帰ればいいんですよ」2020年6月26日。
「フランスは強く、支配的で、主導権をもち、帝国然とすべきです。そうでなければ、フランスは弱く、他の者たちによって破壊されます」2018年11月8日
「2050年には、フランスは、半分はイスラムの国になっているでしょう。そして2100年はイスラム共和国です。」2021年8月28日
「17回も職務質問をされるのはなぜかって? どうしてかというと、大多数の密売人は黒人かアラブ人だからですよ。これは一つの事実ですね。」2010年3月6日
「マリーヌ・ルペンは(大統領選挙に)勝てないとみんなわかってますよ、彼女自身もね」2021年9月15日

大統領選へ立候補するにせよ、しないにせよ、ゼムール氏が2020年のフランスの大統領選挙に大きく絡んでくることは間違いないだろう。メディアも他の候補者たちも次第にゼムール氏の動きに戦々恐々としてきているように見える。