スポーツ用ヒジャブ

投稿日時 : 2019/02/27 18:30

Libération紙のサイトから。「圧力に負け、デカトロンはいったんジョギング用ヒジャブの販売を見送る」

ここ数日、フランスで大きな議論になっていたのが、フランスのスポーツ用品メーカー、デカトロンが発売すると発表した、ジョギング用ヒジャブ。

政教分離をうたうフランスでは、学校などの公共の場で、イスラム教徒の女性が宗教上の理由で顔を覆うことなどには敏感だ。これまでにも、スカーフ問題や、水着問題などがあった。今回は、日曜日からさまざまな反対意見がSNS上などで拡がり、メディアもとりあげた。

法律上は、原則として、一般企業が何を売っても問題はなく、それに対して国は何もできないし、購入は消費者の自由だ。それでもその前提はわかったうえで、反対意見が拡がった。

当初、デカトロン側は、スポーツをするイスラム教徒の女性の要望に応える形で製品化したものであると説明。イスラム教徒の女性たちがスポーツできるようにするという社会的使命もあると反論。

それでも反対派の声は大きくなるばかり。ついには、一部のデカトロンの実店舗の店員に対しての暴言なども始まった。

そして、昨日、火曜日の夜、デカトロンは、「現時点では(à l’heure qu’il est)」商品化は見送ると発表して沈静化を図った。

この一連の流れを紹介したLibérationの記事では、ナイキはすでに「女性用ヒジャブ」として白・黒・灰色の三色展開で商品を30ユーロで販売していると書いて締めている。実際に欧州のナイキのサイトではそれが販売されている。