恒例の冬のストライキも再開

投稿日時 : 2020/12/01 18:00

「RATP(パリ交通公団):複数の組合が12月17日(木)にストライキを申告」
Le Point誌のサイトより。

月曜日、フランスのCovid-19の新規感染者は、マクロン大統領が基準の数値としてた一日5000人を下回った。フランスでも月曜日は週末の検査が少ないので、もともと少なくなる傾向にはある、という条件ではあるが、それでも感染者数の減少はゆるやかに進んでいる。

この週末の小売店などの営業再開でも、フランス国民は、ほぼ半数が買い物に出掛け、残りの半数はまだ警戒して家にいたという調査結果もある。それでもあと二週間でのコンフィヌモンの解除、そしてノエル(クリスマス)、年末への流れは見えてきたようだ。

そして。毎年ノエルの前はいろいろな組合がストライキをする時期でもあるが、今年もやはり例外ではなかった。RATPの組合は、デコンフィヌモンの二日後に早速ストライキをすると申請をした。これは、労働条件とか年金問題ではなく、一部業務の民間委託を認めるという方針に反発したものだ。これは、特にバスなどが2025年1月から民間委託できるようになるというもので、日本の都市部などではすでに見られているものだが、フランスでは民間企業がインフラに参加する例は少ない。

先週末には、パリなどで、新しい治安法案に反対する大規模なデモも行われた。また地方都市などでは、ごく小規模ではあるが、レストラン経営者などが個別に不満・不安を表明していたりする。1月にワクチン接種が始まり、Covid-19の危機の終わりが見えたら、社会不安が一気に表面化するおそれがあるとする意見もそろそろ多く聞かれる。

ここまでは、フランス政府の対応は、個々の施策については評価がわかれるものの、そのスピード感は概ね評価されており、あいかわらず、中期的なビジョンも示せず、具体的な対応策も提示できない日本政府、自治体との違いは明白だ。そこで恐れられているのが、Covid-19危機の先が見えた段階で、政府の対応次第では、確実に外食産業、レストランやカフェ、バーのオーナーたちが大規模なデモやストライキを始めるとされる。当然、政府側もそれは予測済みで、すでに対応策を思案中で、2021年を「フランス・グルメ」の年にするというような、日本のGo Toキャンペーンのようなものを考えているという話もある。

クーポンとか割引が好きな日本国民にはGo Toキャンペーンははまったように、フランスでは外食産業を元気にすることが国民の元気に繋がるのかもしれない。