フランスは終わりの始まり?

投稿日時 : 2022/01/24 17:30

「ワクチンパス:ワクチン未接種者にとっては、1月24日(月)から利用することができない場所一覧」
地方紙Midi Libreのウェブサイトより。

フランスの動きを見ていると、日本の前政権は後手後手の対応で、現在の政権も場当たり的な対応に見える。日本の半分くらいの人口でも、日本の10倍くらいの新規感染者がいるフランス。

本日から、当初の政府の予定よりも1週間以上遅れて、「ワクチンパス」が施行される。すでに使われている「衛生パス」がバージョンアップしたかたちで、完全にCovid-19のワクチンを打っていること(追加接種まで)で、このパスが有効となる。

フランスでは一貫してワクチン接種をパンデミックと闘うための大きな武器という方針はかわらず、すべての政府の提案などは、ここを基準にしているといってもよい。ただ、フランスが大切にする「個人の自由」は尊重するとして、「義務」とはしないが、普通の社会生活を維持するには決められたワクチン接種を行い、その結果としてワクチンパスが有効になり、レストランやカフェ、映画館やイベント、長距離旅行などが可能になる。

すでに衛生パスがある生活に慣れており、大多数の国民はワクチンを打っているので、さほど大きな変化はないとされる。さらに、いまだに新規感染者も多いが、政府は2月以降、段階的に全ての制限を外すというロードマップも提案した。

もちろん、感染状況、そして医療体制の状況が改善していれば、という条件付きだが、そうなればワクチンパスも必要なくなる。ただ、ワクチンパスを持つ個人も、それをチェックする店側も、ワクチンパスを使うことは定着しているので、今後の感染状況によってはいつでもこの仕組みを使うことができる。

ここが例えば日本とは大きな違いだ。日本の感染症アプリはすでにまったくといっていいほど話題にされないが、フランスでは感染症アプリはもうほぼ全ての人がいれていて、そこでワクチンパスもQRコードで表示される。さらに言えば、日本では健康保険のデジタル化もマイナンバーのデジタル化も進んでいないが、フランスではすでに健康保険のデジタル化は終わっていて、感染症アプリがなくても、自分の保険番号で健康保険のウェブサイトからワクチンパスのQRコードを得ることもできる。いまだに追加接種のお知らせを紙の通知で各自治体が準備している日本とは大違いだ。

これでフランスは2月には本当に「アフターコロナ」が始まるように見える。