社会にとって子どもとは

投稿日時 : 2019/05/17 18:00

Youtubeで公開された、「Enfance et Partage」協会のクリップより。「フランスでは、5日に一人の子どもが大人の手によって殺されていて、何千人もの子どもは何も言えずに苦しんでいる」

日本でも子どもの虐待のニュースが目に付いているが、今週初め、フランスでは、「Enfance et Partage」というアソシエーションが、幼児虐待の厳しい現実を訴える動画をYoutubeに公開した。これは先月末に提出された報告を受けてで、各メディアも、5日に一人の子どもが大人の暴力で亡くなっているというこの報告のショッキングな数字をとりあげ、この問題を取り上げている。

日本では、個々の事件がワイドショーで取り上げられることが多いが、フランスでは個々の事件は、プライバシー保護などの観点からも取り上げられることは少なく、もっと大きな、一般的な問題として、取り上げられている。

20 Minutes紙のサイトより。「上院が、義務教育の開始年齢を3歳に引き下げる案を可決」

また、日本では幼児教育の無償化が始まるが、フランスでは、5月14日(水)、上院(Le Sénat)は、マクロン大統領の公約の目玉の一つであった「Pour une école de confiance(信頼の学校に向けて)」の一環である、義務教育の開始年齢を、現在の6歳から3歳に下げることを全会一致で決定した。この9月からの新年度から施行されることになる。

もともと共働きが多い、というよりも、「主婦(あるいは主夫)」という概念が薄いフランスでは、子どもは5歳ではすでに100%、4歳でも99.9%、3歳でも97.5%が教育機関に通っているという。だが、地域や、親の環境によって教育機関にいけないこのわずかな子どもたち(2万5千人ほどだという)にも平等にという方針だ。

ただ、この教育改革は、今後もさまざまな法案が続く予定だが、教員や教育機関はもちろん、子どもを預ける親たちからも反対や批判にさらされそうなものも多い。