暴動とフリマサイト

投稿日時 : 2023/07/07 17:30

「都市の暴動:略奪で盗まれた商品がすでにVintedやLeboncoinで売られている?」
Le Parisien紙のウェブサイトより。

パリ近郊を始め、フランス各地で起こった暴動騒ぎは沈静化がつづている。それに便乗して、スポーツ店や家電店、高級衣料品店などの強盗もかなりの数あって、若者たちが入り口を破壊して商品を次々と盗んでいった。そしてその後、日本で言うところのフリマアプリ、フランスで人気のleboncoinやVintedでは、新品のスニーカーやスマホが破格の値段で出品されている。

同じモデルのスニーカーが、同じ写真で、サイズ違いで多数出品されていて、そのアカウントに使われている本人とされる写真は海外のサイトからコピーされているものだったり、怪しいものが多数見られるという。

運営側は、アカウントの作成や出品で怪しいものがあれば、それらは規制されていると答えているが、実際には運営側のチェックをすり抜けて出品されているものも多いという。

また、襲われたスーパーなどから盗まれたアルコールなども、ネットではなく、路上で売買されているケースもあるという。マルセイユでこうした売買をしている少年を取材したジャーナリストによると、少年は、家ではもう米しかたべていなく、生活をするためにはこうした盗品を売ることでお金を得るしかないという。

暴動騒ぎから10日近くたって、メディアでの分析や議論もおおよそ出尽くした感じで、あとは事件の真相の解明と、政府とマクロン大統領の対応を待つだけになっている感じだが、二期目の大統領選のスタートはパリ郊外で始め、若者たちへの支援を約束していたマクロン大統領、そして先週の月曜日にはマルセイユの郊外で若者たちを対象にした政策を発表していたマクロン大統領だが、翌日の火曜日にはナンテールの事件が起こり、来週の恒例の7月14日の演説まであと一週間。

親の責任を重視して、子どもが罪を犯した場合は親にも罰を与えるとか、SNSなどのプラットフォームにも責任を持ってもらうとか、今後の方針を探るような発言をしているマクロン大統領だが、メディアからは、メディアとの対峙も避けているようだという。

いったんは収まっているようには見えるが、根本的には何も解決しておらず、次にどのようなきっかけで、何が、どこまで起きるかわからない。これは郊外の(若者たち、だけではなく)問題だけではなく、年金問題もそうだろうし、コロナ前の「ジレ・ジョーヌ」運動にしてもそうだろう。

フリマサイトだが、もちろん、怪しいアカウントは警察にも報告していると公式のコメントをしているが、残念ながら、そうした商品を破格の価格で入手しているユーザーがいるのも現実だ。