まったなしのプラスチック汚染

投稿日時 : 2023/11/22 17:30

「プラスチックに関する世界条約:“コンセンサスが得られることはなく、他の決定方式を見つけなければならない”」
Libération紙のウェブサイトより。

日本の大手メディアはほとんど大きなニュースとして取り上げていないのが、ケニアのナイロビで開催されていた国連によるプラスチック汚染に関する国際会議だ。

11月13日から19日まで開催されており、それが終わったタイミングで、フランスのメディアは大きくこの話題と、現在のフランスや世界のプラスチック汚染の状況を伝えた。

この国際会議事態については、この先数十年で、プラスチック製品の製造は二倍、三倍になるとされるが、気候変動や生物多様性についてはある程度の国際協定などがあるものの、プラスチック汚染については国際的な基準がまだまだできていないという。

もはやリサイクルや、プラゴミをどうするかという問題ではなく、そもそものプラスチック製品を減らすという問題提起が必要だという。

フランスのメディアがとりあげていたのが、そもそもレジ袋がなかったフランスでも、野菜や生鮮品に使われるラップで、2040年までにフランスでは完全に使用が禁止されるという。また、この数年でも、フランス国民一人あたりが使う・捨てるプラスチック製品の量は上昇傾向にあるという調査もある。

こうした会議のタイミングで、フランスのメディアでは、フランスの状況や世界の状況についての現状を伝える報道があり、フランス国民も問題意識を共有することができる。環境問題に限らず、最近では、アルゼンチンの大統領選も、直接はフランスにはあまり関係がないが、世界の右翼化という大きな流れのように報じられている。

ちなみに、プラスチック問題のこの会議は、次回は来年の4月にカナダで開催され、来年末までに国際的な合意にいたりたいというが、200弱の参加国から共通の目標をたてるのは難しいともされている。