極右、極左、極緑。

投稿日時 : 2022/10/31 17:30

「ドゥセーヴル県:ジェラール・ダルマナン内相が非難したのは、“エコテロリズムといえる行動”」
Le Figaro紙のウェブサイトより。

日本でも、ヨーロッパの美術館でトマトスープなどが投げつけられる「環境活動家」による事件が話題にされているが、日本では海外のオモシロニュース的な扱いで、短絡的に批判的な伝えられ方をしているだけだ。

フランスでもこうした話題は取り上げられているが、もう何(十)年も続いている、気候変動に対しての市民意識の高まりがあり、日常生活でもフランス国民は日々環境問題に接しているという、日本とは全く違う状況では、こうした行動は、大きな流れの極端なものに過ぎない。

土曜日、フランスの西部、ボルドーの北にあるドゥセーヴル県では、計画されている農業用の巨大貯水池の計画に反対する人々が集まり、憲兵隊と衝突し、火炎瓶なども使われるなど、激しい攻防となった。これに対し、内務大臣は、必要であれば1000人規模の憲兵を派遣すると発言、また、これは「エコテロリズムといえる」と発言し、さらに、大臣は、反対派の中には、「Sファイル(fichés S)」の人物(Sはsécurité d’état:国家機密で、国家機密を脅かす要注意人物)が多数いたとも発言しエコロジー政党などは大反発。

エコロジー政党や活動家側からは、過激な行動をする人たちは、自分たちとは違うという。デモなどでも、平和的なデモ行進に混ざり、破壊行為をする「ブラックブロック」などと同様に、エコロジー的な活動でも、破壊や暴力行為を手段とする人たちは真のエコロジーではないという。

ただし、こうした極端な行動をする人たち自身には、こうした行動をとらないと世界は変わらないという信念がある人もおり、エコロジーという政治スペクトルでも、多様になってきているようだ。