水道水を有料で売り始めたフランスのマクドナルド

投稿日時 : 2021/09/27 17:30

「マクドナルドでは、水道水は利益の源」
Le Monde紙のウェブサイトより。

ことは、今年の3月に遡る。プラスチック容器にはいったミネラルウォーターの販売を年内にやめる方針を発表したマクドナルド。プラスチック容器を使わないという環境に配慮したような方針で、カンヌ映画祭などの世界的なイベントでもプラスチック容器は使われない傾向にあるのがもはや世界のスタンダード。

ところが、実はこれは、よく言っても一つの経営戦略、悪く言えば「世紀のArnaque(アルナック;ごまかし、詐欺)」と言われる。

というのも、フランスのマクドナルドの店舗では、紙コップに入れた水を販売しており、それは、水道水をフィルターに通しただけだという。250mlの水道水が1.7ユーロ(200円以上)、500mlだと2.3ユーロ(300円近く)だ。さらに、レモン風味になると、2.7ユーロ(350円)。SNSでは、マクドナルドの店員が水道水にフィルターを通しただけと証言し、ここから様々なフランスのメディアが取り上げ始めている。

この方針で困っているのがマクドナルドに水を卸していたダノン社で(エビアンやバドワ)、まだプラスチック容器の水を売っているフランスで他の大手チェーンのバーガーキングやケンタッキーに水を下ろしているネスレ社(ヴィテル、サンペリグリノ、ペリエ)はまだ安泰のようだ。

フランスでは、水は無料であるべきという法律があるが、「Eau by McDo」(水byマクド)は、「超浄化」された水として、「調理された」ような扱いで、法律をかいくぐっているとされる。ただし、メディアで大きく取り上げられはじめ、今後どうなるかはわからないし、そもそもこうした真実をしったフランス人が水を買うとは思えない。