やはりかなり厳しいフランスの11月

投稿日時 : 2020/11/13 18:00

「ジャン・カステックス首相:“現状ではコンフィヌモンを緩和することは無責任でしょう”」
L’Obs誌のサイトより。

昨夕の首相の会見では、新たな対策や方針が期待されていた。小売店は営業再開、高校や中学は閉鎖などが噂されていたが、蓋を開ければ、具体的な変更はなにもないという発表に。

ざっくりというと、12月1日まで、あと2週間はこのままのコンフィヌモンを続ける、という宣言だった。

わずかに改善傾向にあるのは、新規感染者数がおさえられてきていることと、R0(エール・ゼロ)といわれる基本再生産数(taux de reproduction : basic reproducition number)が1を切った(感染者一人が何人に感染させるかという数字)ことだが、入院患者数のピークは来週にくるとみられており、さらには、Covid-19の感染者によって病床はかなり逼迫している状況はかわらない。

日本では、「第三波」という言葉だけが一人歩きして、いまだに都道府県別の数字が前面にだされ、異動がまったく制限がない中でも国全体の数字は大きく語られないばかりか、検査数も重症患者数も死者数も、さらには基本再生産数も客観的な科学的指標として伝えられていない。が、リュミエール(啓蒙、理性)の国と自負するフランスでは、客観的指標でメディアも政府も状況を説明し、それによって方針を決めている(ことが伝わる)。

カステックス首相は、新たな方針は示さなかった(現状では示せなかったというのがただしいかもしれない)。それでも、12月1日から小売店も営業再開できるように協力をもとめ、営業できない期間の家賃の補助などの援助も打ち出した。

もちろん、SNSやメディアでは、何の内容もないなどの批判があり、小売店はもちろん、より厳しい制限がさらに続くとされる外食産業ももちろん不安と不満を募らせている。ここから二週間、感染症の状況もそうだが、より寒く、より暗くなっていくフランスで、フランス国民がどう振る舞うか。