(いったんは)沈静化。

投稿日時 : 2024/02/02 17:30

「社説。アタル首相と農業従事者の怒り:高くついた沈静化」
Libération紙のウェブサイトより。

木曜日、フランスのアタル首相は、この一週間で3度目となる会見をして、二週間以上続いているフランスの農業従事者の怒りに対して、前回の発表ではまだ不充分とされた提案をさらに具体的にして、1億5千ユーロの追加予算を割いて、フランスの農業従事者の支援をするとした。さらには、2024年、この農業支援などに使われる予算は4億ユーロにもなるという計算もあるが、政府は元々予定していなかった予算枠で、かなり高くつくことになった。

この発表をうけ、農業従事者の組合団体などは、パリや大都市周辺での道路封鎖を解除するとして、「沈静化」が始まったものの、月末にある農業見本市、そして数ヶ月後のヨーロッパ議員選挙でさらに政府の対応が裁かれるとされている。

そして、農業従事者の方でも、沈静化したのは、多数派だったり、農業従事者組合の「政治的な」判断という見方もあり、怒りが収まっていない農業従事者もいる。フランス政府としても、自国の農業従事者の怒りをおさめるために犠牲にしたのは、予算だけではなく、エコロジー政策(農薬の使用の制限などの環境対策を緩和化)やヨーロッパ(欧州基準の規制などに反対)で、別の火種も生んだとも言える。

若き新首相はなんとか、最初の試練をやり過ごしたかに見えるが、まだまだ2024年は始まったばかりだ。