「メガ激ヤバ超ストライキが継続中」

投稿日時 : 2019/12/06 17:30

「動画。12月5日のスト:“年金改革は、花瓶の水を溢れさせる最後の一滴(直訳:“琴線に触れた”、“堪忍袋の緒が切れた”のようなこと)」
20 Minutes紙のサイトより。


タイトルにしたのは、パリでよく使われている移動アプリCitymapperの注意喚起。地下鉄やバスだけではなく、電動自転車Vélib”や電動キックボードの位置などもリアルタイムで分かるこのアプリではストを「archi-méga-maxi」と形容した。「すごい」を形容する場合、通常は「super-」をつけるが、「maxi」「méga」「archi」」それぞれが一つでも「最大」、「最高」、「超」の意味で、移動系アプリとしては、とてつもなく大きいストライキと判断したようだ。
二日目の今日も地下鉄は軒並みに不通、一部はラッシュアワーには多少運行。バスも路線によっては不通、または本数を大幅削減。

CitymapperのPCサイト。パリ版のキャプチャ。

昨日は、レンタル自転車Vérib’は一部ではシステムエラーだったり、レンタル電動キックボードも利用できるものが少なかったりしたが、テレワークをしたり、学校もストライキで閉鎖で子どもも休みになったので親も休みにしたりだった。一方、デモは多少の破壊行為はあったものの、一応予定されていた行程で最終地点まで到着。内務省の発表ではフランス全土で80万人(組合発表だと150万人)がデモなどに参加。1995年12月にやはり年金制度改革がきっかけで長期間続いたストライキで当時の政府は年金制度改革を断念した時、さらには1968年の5月とも比べられているくらい扱いは大きい。

地上波テレビやラジオ、ニュース専門チャンネルなどでは生放送で政府関係者、組合の代表、専門家などを招き生討論。報道系の紙媒体やウェブサイトでは、まとめ記事などが公開。交通系のストライキ(エールフランスの国内線も)がやはり影響が大きく、利用者側のリアクションもあり、さらには、鉄道系職員の「優遇措置」に関しては意見がわれるので、取り上げられることが多い。

ただ、今回の年金制度改革に反対するのは他の職種も多く、次に大きいのは、教職員で、教員の半数近くがストライキをしているという。鉄道系は利用者を犠牲にしているが、教職員がストライキをすると、子どもや親に迷惑をかけることになるが、それでもストライキをしなければならないほどの状況で、そこまでしないと政府に認めてもらえないという。鉄道系のストライキは、終了する場合、つまり通常ダイヤの再開には48時間の事前準備が必要とされるので、そう簡単には通常には戻りそうにない。

政府は週明けに年金制度改革の具体案を発表することになっているが、この週末のデモやストを様子を見ているようで、同時に政府関係者はメディアでの説明を繰り返している。昨年のジレ・ジョーヌの運動はそもそも組織がない運動だったが、今回は、労働組合が(いまのところ?)しっかりと舵取りをしている運動で、政府vs組合という対立がベースで、お互いが相手を牽制し、攻防しているようだ。

最新ニュースでは、月曜日に政府は組合の代表と会談すると発表した。