ストライキもデモも文化(おそらく)。

投稿日時 : 2019/12/05 18:00

「12月5日の年金スト:245のデモが届け出」Le Parisien紙のサイトより。
(写真の横断幕:“私たちの年金:私たちが得たものは、私たちがそれで生きたい。健康・社会保障・購買力・住居・公的サービス・ヴァカンス・趣味」)


いよいよ始まった魔の木曜日。あえて日本で例えると、巨大台風の接近にともなって、台風が上陸する沿岸や、交通麻痺している駅などからの中継があるように、フランスでは朝から閉鎖されているパリの地下鉄入口や、パリの国鉄駅、地方の駅、パリ周辺の高速道路、さらにはデモの通り道で店を閉めているところなどからの中継がひっきりなしだ。さらに、TVやラジオでは専門家や政治家を招き、ストについて、この年金制度改革についての話がされている。

本日、フランス全土で届け出をされているストライキやデモの総数は、内務省によると245だという。パリでは6000人の警官が「ジレ・ジョーヌ急進派(gilets jaunes radicaux)」や「Black blocs」による暴力・破壊行為を警戒、牽制し、デモ参加者たちにも自らがそうした異端分子が入ってこないようにと呼びかけている。

すでにパリでは11の地下鉄の駅が封鎖され、TGVはなんと、10%しか稼働していないという。世界でも、国民が政治への意思表明でここまで社会を麻痺・中断させる国はフランスくらいではないだろうか。

問題は、今日から始まったこの大きな流れが、いつまで、どのような形で続くのか。あまりに多くの職業(つまり異なる組合)があり、それぞれの要求も異なり、様々なメディアでも専門家でも意見が分かれている。しかし、Le Monde紙では、知識人やアーティスト180人がこの「ネオリベラルで権威主義の政府の攻撃」に反対を表明したり、環境問題関連の団体も連名で、この年金制度改革反対の運動を指示すると公式に表明。今日からの流れがクリスマスまで続くという意見もあれば、年を越すかもという意見も。一方の政府側は来週に具体案を出すことになっているが、それもここ数日の状況次第。

5年任期の後半を迎えるマクロン大統領、昨年からはじまったジレ・ジョーヌの運動は、なんとか「国民大討論会」を行ってしのいだが、今回の年金制度改革、いかに乗り越えるか、後半の任期だけではなく、2022年の再選にも響くことになるというのは、世論もメディアもほぼ一致しているようだ。

France Info TV(youtubeで視聴可)より。フランス時間木曜朝09:41のライブ映像。
ガラガラのモンパルナス駅(右)で途方に暮れている旅行者とそれを見つけて話を聞きにいくテレビ取材、スタジオでは組合の代表が解説(左上)、
パリは自転車が多く、交通量は少ない(左下)。