選挙の投票は性善説か性悪説か

投稿日時 : 2021/06/21 17:30

「地方選挙:三つの画像でみる記録的棄権率」
ニュース専門国営ラジオ局France Infoのウェブサイトより。

日常の再開まであと10日を切ったフランスでは、感染状況は改善を続けている。日本では全国の一日の感染者数が1000人を超えている程度でかなりの危機感があるようだが、フランスの場合は同じ一日の感染者数では基準が5000人。数日前に半年ぶりくらいのこの基準を下回り、現在は3000人も切って、もうあたかも日常が戻ったかのような雰囲気だ。

まだ、一日の新規感染者が日本の倍近くあるにもかかわらず、夜間外出制限もなくなり、ユーロディズニーも再開、もちろん、外食産業も再開している。しかも、フランスの人口は日本の半分だ。

そんな雰囲気で行われたこの週末の地方選挙。コロナ禍でどうなるか注目された。感染症の改善が与党に有利にはたらくのか、コロナ禍での当量率はどうなるのか、コロナ禍対策ばかりで大きな政治問題がないなか、何が争点となりどの政党に有利になるのか。

結果、蓋をあけてみると、まずは大きなポイントは、戦後最悪の投票率になったことだ。さらに、大統領の政党である与党が大きく敗れ、極右政党も歴史的な惨敗。再選が多く、伝統的な右派政党と左派政党もわりと好戦。エコロジー政党もそれほど伸びなかったというのが、一夜明けてのメディアの分析だ。

今月初めから地方訪問を始めているマクロン大統領は、すでに今回の地方選挙とは距離をとる発言をしており、この選挙によっての内閣改造もないと発言しているなど、すでに来年の大統領選挙をみすえているとの分析が多い。

ところで、日本では「投票率」を発表して、投票した人をカウントするが、フランスは投票しなかった人をカウントする「棄権率」を発表する。日本では投票することが特別な行為で、フランスでは投票しないことが特別な行為ということだろうか。もちろん、どちらの国でも、投票は権利であって、義務ではない。

今回の歴史的な棄権率は、速報では66.1%で、確定値は66.7%になるとの予想もある。ちなみに地方選挙はもともと棄権率は高くなる傾向にあるが、1990年代では20-30%代で推移していた。(つまり、投票率は80-70%)

引用した記事の画像は棄権率が60%以上の都市だ。