年金制度改革とストライキ:あと1週間

投稿日時 : 2019/11/28 18:15

「年金制度改革:フィリップ首相は特別制度については態度を変えず、その実行には柔軟」
地方紙Midi Libreのサイトより。

昨日の農家たちのトラクター・デモは、農業大臣と農家団体の代表が対談し、フィリップ首相が来週、農家団体の代表と話をするとしたことで、パリの封鎖をいったん中断した。

一方、昨日、フィリップ首相はさらに閣僚会議の後の会見で、年金制度改革は、「Sans brutalité(急激さはなく)」すすめ、12月9-10日までは関係各団体などとの話し合いを続け、年明けには改革案を提案すると発表した。

また、月曜日からは、国営ラジオネットワーク、Radio Franceで、職員のストライキが始まっており、すでに4日目。これは年金問題ではなく、雇用削減に反対してのストライキで、一連の国営ラジオでは音楽が多く流れている。年金制度改革に関係なくともストライキやデモは続くフランスだ。

さて、昨日のフィリップ首相の会見では、現在ある42の特別措置対象の職業区分をなくし、普遍的な年金制度(retraite universelle)を目指すという基本方針は変えず、そこまでの移行プロセス(理論的には1963年生まれの国民からが対象)で落としどころを見いだしたいという。そこで、様々なカテゴリの人たちとの対話を続けている。

12月5日まであと1週間。それまでにも他のデモやストライキがあるだろうし、政府側も様々な発表や発言をしてくるだろう。そして当然、メディアでもこの年金制度改革の話題は多く取り上げられている。へたなテレビドラマシリーズやリアリティ番組よりも、先行きが読めない。