パリに1000台のトラクター

投稿日時 : 2019/11/27 18:00

「安全、収入、不誠実な競争…。パリ周辺で農家がデモをする理由とは?」
France Infoのサイトより。

日本では12月になると、「師走」といい、社会全体がなんとなく慌ただしくなるが、シャンゼリゼのイルミネーションも点灯したフランスでは、12月はノエル(クリスマス)を迎える月であるだけではなく、様々なストライキやデモがある月でもあるようだ。

12月5日の大規模ストライキの前にも様々なデモは予定されているが、本日は、怒れる農家が、トラクターを1000台近く集めてパリに向かい、パリへのアクセスを封鎖しようとしている。

彼らの怒りは、政府からも国民からも正当に自分たちの仕事が評価されていないことにある。フランスでは年に一度、農産物の流通価格を決める会議が、生産者や流通業者、小売業者、政府などの全ての関係者によって開かれるが、この決定で生産者の立場・言い分が充分に配慮されていないという。さらに近年の環境問題や無農薬への関心の高まりが行き過ぎ、農家は化学薬品を大量に使い、動物を虐待していると見られ、農地や家畜に被害を受けることもたまにある。

実は昨年10月に、より健全な生産物を、より健全な流通で、生産者から消費者まで届くようにすることを目的とした一連の法案が施行された(loi Alimentation、通称Loi EGalim)が、その理想が現実とは異なっているという。特に、生産者は、食品流通業界に買いたたかれることなく、健全な価格で生産物を売れるはずだったが、現実はそうではないという。他にも農業・畜産業の様々な問題がたまって爆発している感じだ。