フランスも内閣改造は政治的な選択

投稿日時 : 2023/07/21 17:30

「正式に内閣改造:いかにボルヌ首相は、マクロン大統領に対して駒を進めたか」
Le Parisien紙のウェブサイトより。

パリ郊外ナンテールの事件とそれに続く暴動騒ぎもあり、新年金制度の施行のあとの内閣改造は最低限になるとされていた。ボルヌ首相がかわることはなかったが、それでも、予想されていたよりは多くの大臣が交代となった。

メディアなどでの発言などで非難を浴びていた教育大臣は、いわば当然の交代だったが、それでもマクロン大統領お墨付きで入閣していた目玉の大臣だった。そしてマクロン大統領の第一期から、若手かつ女性、そしてメディアでも政府の顔としてよく登場していたものの、これもスキャンダルめいた問題などで、逆に政府にはマイナスになっていたシアパ国務大臣もこのタイミングでやめさせられることになった。

ところで、新しい教育大臣は、それでもマクロン大統領のお抱えのような若手、34歳のガブリエル・アタルで、前任の民間からの登用とは逆に、「政治的な」選択という評価だ。これに対して、教育現場や組合などからはすでに懸念の声も上がっており、9月の新年度以降、またもや教育の分野で問題が起こりそうな感じもしているという。

またフランスのメディアでは、ボルヌ首相とマクロン大統領の関係も良好ではないという論調もあり、今回の内閣改造も二人の駆け引きの結果という、これも「政治的な」意味があるという。

これで、フランスは、政治も、社会も、そしてメディアも、かなりバカンスモードになるだろう。