フランスの反骨精神？

投稿日時 : 2020/10/06 18:00

パリではバーとカフェの営業が2週間停止になった。先週末から予告されていたとはいえ、Covid-19による新たな生活への制限で、フランスはざわついている。パリ市は関係各機関と連携して、今後2週間毎にパリ市の状況と対応について連絡するとした。なんとか営業停止を免れたレストランでも、政府などへ営業停止措置をとらないように求めていたオーナーや料理人たちは喜んでいるものの、人数制限や、とくに来店者名簿への記名が義務となったことで、プライバシーの問題がもちだされたり、そもそも、フランスだけが、レストランを特別扱いして、バーやカフェとは別にしたことへの疑念や反発もある。

また、パリの地方紙、Le Parisien紙は、スクープ記事として、「非合法パーティー」に潜入した記事を公開し、SNS上では軽く議論になっている。これはすでにコンフィヌモン（ロックダウン、自宅隔離）の時から特にパリでみられていた現象で、夏の間は、非合法の野外レイヴの開催が問題になっていたのもその流れで、営業禁止となっていた、日本で言うところの「夜の街」の商売、といってもフランスでは日本風のキャバクラやホストクラブはなく、バーやクラブ、ディスコなどが、非合法な活動をしている。そして顧客側も、自宅以外で「夜に」遊べる場所がないのも日本などと同じ状況で、経済的に苦しい経営者側と、ストレス発散したい客側のどちらもがWin-Winのこの「非合法の夜の商売」になっている。

Le Parisien紙の記事に対しては、個人の自由、自己責任でやっていることだからいいじゃないかとか、こんな密告するようなことを新聞がやってどうするといった意見などがある。さらには、バーやレストランを営業停止にするからこういうまったく「非合法」なものが増えるから、営業禁止よりも、条件付きの営業のほうがよいとする意見もある。

そして、昨日、正式にパリなどへの特別緊急措置が発表されたあと、もちろんSNSではさまざまな発言があるが、中でも目を引かれるのは、昨日の朝のパリの地下鉄の写真で、日本の満員電車も顔負けの混雑ぶりが見られ、どのメディアもこの状況についてはほとんど語っていないと嘆いている。

バーやカフェを営業停止、大学の講義の受講者数は半分に、老人ホームへの訪問も予約制、大人のプール利用の禁止などの措置を発表したが、特にパリのこの公共交通についてはなにもなく、「強く推奨する」テレワークだけ解消できる問題ではないようだ。