交通事故ではもう「過失」などないフランス

投稿日時 : 2023/07/19 17:30

「“過失致死”ではなく“交通殺人”:何が変わって、何が変わらないのか」
地方紙Courrier picardのウェブサイトより。

結局、マクロン大統領は内閣の再編成は行わず、首相の座についたままのエリザベット・ボルヌ首相が月曜日に発表したのは、交通事故での「過失致死:homicide involontaire」の呼称の変更。

これは交通事故で家族を亡くした人などが求めていたもので、故意ではなく過失でという「involontaire」表現は、被害者や被害者家族の気持ちが考えられておらず、事故を起こした運転手の責任の重さが考慮されていないなどと求めていたものだ。

交通事故は「故意ではない、過失」という考え方ではなく、それは殺人「homicide」であるとはっきりと法的に明記して「homicide routier:交通の、道路上の、殺人」という表現になる。

ただし、実際には表現が変わるだけで、とりあえずは課される刑罰は変わらず、交通事故被害者家族などは反発している。

また、フランス政府は、麻薬などを摂取しての運転の場合は、厳罰化することを考慮しており、一発で免許停止にすることをめざし、なかなか減らない麻薬常習者の事故対策をしようとしている。