鶴の一声。

投稿日時 : 2024/02/14 17:30

「パリ五輪2024:エマニュエル・マクロンは、“首都に今も生きる文化財”であるブキニストの移動を断念」
Le Parisien紙のウェブサイトより。

オリンピックの開会式に合わせて、移転が議論されていたセーヌ川沿いのブキニスト(古本屋台)だが、2月13日、フランスの大統領府こと、エリゼ宮が発表したところによると、大統領直々に、この移転をとりやることになったという。

内務省やパリ警察などは、開会式の警備などの問題があるとして、移転を要求、パリ市も、オリンピック会場近くに移転させたブキニストを集める案なども提案していたが、ブキニストたちは反発しており、訴訟も起こす構えで、折り合いがつく気配がないままだった。

この発表は、ブキニストにとっても、警察側にとっても、突然の発表だったようで、大統領からの発表なので、さらに変更されることはないだろうが、実際にどうなるかはまだわからない。

ブキニストのほうも手放しで喜んでよいのかもわからず、警察のほうも、ブキニストがある状態でどう警備をするのか、当初よりも開会式当日の人出の予想が少なくなっているとはいえ、ブキニストが本を入れている緑の箱には、武器や爆発物などが隠される危険があり、それをどうするのか、いよいよ具体的な対応策がもとめられる。

また、政府側としては、今年は、オリンピックが始まる7月にかけて、通常のバカンス前以上に、様々な社会不満などが吹き上がるリスクがあり、ブキニストも一つの火種として早めの火消しを図ったという見方もある。それでも、農業従事者や、交通系、教育関連、医療現場など、いくらでも火種になりそうな問題は多い。