フランスには期日前投票はなく、代理投票がある。

投稿日時 : 2024/06/19 17:30

「議員選挙2024:代理投票のやり方」
国営メディア、Franceinfoのウェブサイトより。

日曜日に出馬の締め切りがあり、本格的に始まったフランスの国会議員選挙。世論調査もはじまり、ジャーナリストや政治評論家などの解説やコメントもまずは一通りまわった感じだろうか。

三つ巴で、左派勢力、与党勢力、極右勢力と、それぞれの陣営で毎日のようにバズるような話題がでている。ポイントはやはり三つ巴で、意外と左派勢力が頑張っているが、極左政党の動向や、引退していた元大統領の出馬など、不安な要素もある。極右政党は、今後、弱いとされていて、実際に政策が定まっておらず、あまり語りたがらない経済政策や年金制度の問題もあるものの、支持率はフランス全体で相変わらず30%前半でトップ。左派勢力が20%台後半で追い上げている形で、与党勢力は10%台中盤と伸び悩んでいるというより、完全に負けの構図。

ただ、まだまだ、何があるかわからないのがフランスの選挙で、あと10日ばかりで何か大きなニュースがきっかけになるかも知れず、どこかの陣営の政治家が失言などをするかもしれない。そして二回投票があるフランスの選挙制度では、2回目の投票での駆け引きもまだありうる。

そんななか、内務省の発表によると、ヨーロッパ議員選挙が終わった直後から一週間で40万近くの代理投票の申込みがあったという。フランスでは、日本のような期日前投票がないが、前もって、書面申請や、フランス版のマイナンバーサイト・アプリを通じての電子申請で、代理・委任での投票ができる。2022年の議員選挙では100万の代理投票があり、これまでのところそこまで多くはないが、かなりのペースで申請が来ているという。

これまでのところ、フランスのメディアでよく言われているのが、「よくてカオス(どこも絶対的過半数をとらずに、大統領が弱体化)、最悪は地獄(極右政党が絶対的過半数で、極右政党から首相)」だ。

オリンピックまであと一ヶ月ちょっとだが、もはやフランスはそれどころではないようだ。