フランスにあるのは「痴漢」ではなく「性的暴力」

投稿日時 : 2025/03/11 17:30

「ハラスメント、さわり魔、暴言…。公共交通での性的暴力の被害数は10年で86%の上昇」
Le Parisien紙のウェブサイトより。

3月8日の女性の権利の日の後、月曜日にフランスのメディアで発表されたのは、この10年間で急上昇しているパリとパリ近郊の公共交通における性暴力被害の実態。

それによると、2024年には3374の被害があったという。これは2023年比で6%、2022年比では9%の上昇だが、2016年からの10年でみると、86%の上昇だという。

しかし、これは報告されている件数で、この数字に表れていないものもあるし、統計のうちでも7%しか警察などに届けていないという。

フランスでは毎年の国際女性デーにあわせなくても、女性が被害者となる事件や問題は常時とりあげられており、日本ではまだまだきかれない「フェミサイド(女性殺し)」という言葉も割と普通に使われている。フランスでは毎日3人以上の女性が、パートナーや元パートナーからの殺人あるいは殺人未遂の被害に遭っているという統計もある。

公共交通での性犯罪の上昇もあるが、逆にこの十年で、周囲の人に助けられたという割合は2016年の10%から23%に増えたという。

また、バスでは、一部の路線で夜間には、停留所ではない場所でも降車できるような取り組みもしているという。