またもや選挙前の事件。

投稿日時 : 2024/06/21 18:20

「反ユダヤ主義的な未成年のレイプ:この下劣な犯行で拘束された少年たち」
地方紙Midi Libreのウェブサイトより。

今週初めから、フランスのメディアが大きく取り上げているのが、先週末にパリ郊外のクールブヴォアで起きた事件。

12歳の少女が、12歳と13歳の少年たち三人によって、暴行・レイプを受けただけではなく、反ユダヤ主義な罵りも受けたという。少女はすぐに病院に連れて行かれ、月曜日には犯行におよんだ少年たちが拘束された。

これまでにわかっているところによると、主犯格の少年は、元ボーイフレンドで、少女が自分がユダヤ人だったことを知らせていなかったことを恨んだことがきっかけだという。

パリでは昨日、反ユダヤ主義に対抗する人々が集まったり、もちろん、ソーシャルネットワークでも多くの投稿がされている。そして、選挙選まっただ中で、政治家も発言をしているが、フランスの反ユダヤ主義問題は、ハマスとイスラエルの争いが始まってからさらにデリケートになっており、左から右まで、政治家たちもそこまで踏み込んだ発言や、火に油を注ぐような発言はあまりみられない。

政権獲得まであと一歩に迫っているように見える極右政党RNでも、反ユダヤ主義とは戦わなければならないという立場をとっていたり、反ユダヤ主義的(親ナチス的)な投稿をした候補者の公認をはずしたりしているし、極左政党の側でも、この少年たちによる性的な犯罪かつ人種差別的犯罪について、自分たちのつっこんだ主義主張にそくした発言は控えているようだ。

国会議員選挙の第一回投票まで10日を切っての、この事件だが、あまりにも問題は大きく、デリケートで、どういう反応が投票につながるのか、それぞれの政党で、正解は難しいのだろうし、有権者も、こうした事件がどう投票に影響するのかも難しそうだ。

以前であれば、そして別の社会問題であれば、「移民のせいだ」とか、「郊外の若者の問題、治安の問題」だ、とか、教育の問題だとか、短絡的に政治家もメディアも取り上げていただろうが、2024年、様々な世界情勢のなかで、簡単にまとめてしまうのは難しく、投票にどこまで何が影響するかも見えない。

記事の写真は、事件が起こった場所の写真。かつては保育園があった場所だという。