若い力

投稿日時 : 2021/01/07 18:00

「Vaccintracker:フランスのワクチン接種の数字を発表する独立系サイト」
Le Figaro紙のサイトより。

海外からみれば、日本は「ロックダウン」でもなく、強制力もない「非常事態宣言」という中途半端にしか見えない施策の発動にすらもたついているようにしか見えないようだ。年が明けてからのフランスでは昨年末に始まったワクチン接種関連の話題がCovid-19関連ニュースの一番のトピックになっている。

ワクチン接種に懐疑的で5割以上が受けないというフランス国民、強制はしないものの他の欧州諸国に比べて低い摂取率の改善を図る政府、そしてさまざまな情報をまとめ、専門家の見解などを紹介しているメディア。ワクチン接種も、さらなる延期となった飲食業の休業も、国全体、ヨーロッパ全体で集団免疫をつけるという大きな目標、「コロナ禍」から抜け出すための有効的な手段だ。

日本では一年前と同じようにいまだに毎日の新規感染者数ばかりが語られているが、フランスではワクチン接種数も注目され始めており、その中で取り上げられているのが、若いソフトウェア開発者、ギヨーム・ロジエさんだ。

若い頃から気象データなどのデータ解析に興味があった彼は、独自に、昨年の4月にCovidTrackerというサイトを立ち上げ、Covid-19の感染状況をアップデートしていた。多くのメディアでもとりあげられていた。

12月27日にフランスでワクチン接種が始まると、今度は、VaccinTrackerを始めた。すると、12月30日、保健省(ministère de la santé)から連絡があり、関係者会議に招待されたという。さらに、年明けには、保健担当大臣自らから電話があり、ギヨームさんの活動に感謝をされたという。その後、当初は、公式発表の数字もなく、メディアなどで接種数を調べるしかなかったギヨームさんだったが、大臣から連絡があったあとは、保健省から毎日、公式な接種数が知らされるという。

covidtracker.frのサイト。
1/6現在、目標である国民の60%のワクチンを接種に対し、0.03%しか接種していない。

VaccinTrackerのサイトではフランスのワクチン接種状況もまとめられており、一目で状況が確認できる。
ヨーロッパ諸国ですでに承認されているワクチンは2種。フランスはそれぞれ、4500万、2400万を発注済み。さらに4種が発注済みで承認待ちで、これもいつから接種可能となるか、発注数も発表されている。

ル・フィガロ紙のインタビューに対し、ギヨームさんは、あくまでも独立したサイトのままで、自分の判断で数字を発表するといい、科学者としても、こうした発表をするメディアとしても独立をまもる姿勢を示している。

参考までに。
フランス:保健大臣:40歳、首相:55歳、大統領:43歳。