子どものワクチン接種を検討するほどのフランス

投稿日時 : 2021/12/01 17:30

「5-11歳のワクチン接種のジレンマ」
12月1日付けLe Monde紙の紙面より。
(写真は、カナダでワクチン接種を受ける子ども。11月25日)

感染状況が低いままで、三度目のワクチン接種もようやく医療従事者からとなった日本に対して、フランスは、第五波のまっただ中で、追加のワクチン接種(多くは三度目)も18歳以上の全ての国民に対して始まっている。

追加のワクチン接種と衛生パスで感染症の拡大を乗り越えようとするフランスで、次第に取り上げられている話題が、12歳以下の子どもに対するワクチン接種だ。

フランスの現状として、第五波が急拡大しており、その感染源には学校があげられていることがある。そして、ワクチン接種についても、すでに高齢者を始め、まだ打っていない人は、何らかの理由で拒否している人たちが多く、これ以上、接種率を上げることは難しいといわれている。

そこで、現在はワクチン接種の対象ではない12歳以下の子どもたちにもワクチン接種を解放することで、国民のワクチン接種率を上げ、感染拡大を防ぐという狙いだという。

ただし、世論調査などでは、親たちは反対が多く、専門家の間でも意見が割れているという。「自分勝手に」ワクチンを拒否している大人に打たせるのが先だという意見もあれば、子どもの場合、副反応の影響についても専門家でも意見が分かれている。フランス政府は、医療だけではなく、子どもの精神状態や、倫理的な問題についても専門家から意見を聞いているというが、子どもへのワクチン接種の判断はかなり難しいとされる。