電動キックボードとフランス人

投稿日時 : 2019/06/20 19:00

Le Figaro紙のサイトより。「フランス人はもう電動キックボードはのぞまない」

日本の都市部ではようやく、電動自転車のシェアサイクルが見られるようになってきたが、パリではすでに最初のシェアサイクルサービスVélib(ヴェリブ)が登場して十年以上。昨年からは、電動キックボードが登場し、瞬く間にシェアサービスも含めて人気になっている。

先月には、電動キックボードと歩行者親子の事故があったり(歩行者は軽傷)、車と電動キックボードとの事故では、電動キックボード利用者が死亡するという事故もあった。

電動キックボードは新しい移動手段で、現在の法律では想定されていないので、法的縛りはなにもないというグレーゾーン。かなりのスピードで歩道を走り、ヘルメットの着用も必要なく、駐車スペースの決まりもない。パリ市は7月1日から、歩道への駐輪を禁止するなど、規制する方向で進めている。

上記のLe Figaro紙の調査によると、フランス人の29%が電動キックボードに乗ったことがあり、そのうち24%が事故を起こしたことがあり、31%が転倒したときにいかなる防具も着けていなかったという。さらに35%のフランス人が自分が乗っていても乗っていなくても、電動キックボードは危険だと感じたことがあり、特にパリでは51%の人が危険を感じているという。そして63%は、そもそも電動キックボードを禁止したほうが良いと答えている。

他の調査によると、パリの場合、4割以上の利用が、旅行者で、フランス人の場合、平均が39歳の男性だという。

9月からは、新しい法律が施行され、道路交通法にも電動キックボードが明記される。最高時速は25km/hとなり、歩道での走行は禁止、二人乗りも禁止され、ヘッドホンなどの利用も禁止。罰金は35-1500ユーロ。

パリの交通事情の悪さは慢性的で、パリ市もバス路線の改変をはじめ、さまざまな取り組みをしているが、民間でも、そうした状況に便乗しているのがこうした電動キックボードのシェアサービスだ。次は、ホッピングマシーンも北欧からやってくるという話もでている。