フランスの中学では、「本当に」スマホ禁止。

投稿日時 : 2024/09/04 17:30

「中学でのケータイ禁止:“デジタル休み”に基づいた変更」
Le Parisien紙のウェブサイトより。

新年度が始まったフランスの中学校で、大きな変化の一つが、携帯電話の禁止。

ただし、厳密には2018年から携帯の持ち込みは禁止されている。ところが、当然、現場では、電源を切って、カバンにいれておくこと、という程度で、実際は休み時間や昼食時、あるいは授業中でもサイレントモードで使われているのが現実だった。

その後、フランスで問題とされているのが、学校内のいじめ、あるいはハイスペックのスマホの盗難、そしてスマホ依存による
学力やコミュニケーション力の低下(厳密にはスマホ依存による学力やコミュニケーション力の発達の妨害)。日本のメディアではほとんど大きく取り上げられず、教育現場の問題のような大きな枠では語られないいじめも、フランスではローカルな事件ではなく、国自体の教育問題として取り上げられることが多く、そこで重要なツールであるスマホも問題視されているという状況がある。

すでに2018年に、スマホの便利さを使いこなせず、いじめやハラスメントのような犯罪(的)行為の道具に使うフランスの子どもたちの状況に危機感をもったフランス政府は学校でのケータイを禁止したが、現実的なものではなく、今年にはいって、より踏み込んだ対応を始めたということになる。

ところが。

今回は、全ての中学ではなく、199の中学校が試験的に始め、対象となる中学生は5万人程度だという。今回からは、これまでのような「自主的な」電源オフなどではなく、先生などが、ちゃんと目で見て、スマホ専用に準備されたロッカーなどに入れることを確認することになり、休憩時間や昼食時も含め、学校がおわるまで預かるという形になる。もちろん、ハンディキャップや発達障害などで板書を写真でとる必要があるなどの生徒は例外とされる。

さらに。

禁止を無視して学校内でスマホを使った場合は、罰として、宿題などが課されるほか、スマホの没収もありえるという。(但し一時的で、本人または保護者に返還される)

特に問題がなければ、1月からは全ての中学校で実施されるというが、現場では、こうした措置がちゃんと守られるかに懐疑的な見方もあるし、そもそもこうした措置で、フランスの学校の問題、子どもたちとスマホの問題がどこまで解決されるかもわからない。

そして。

新首相選びに苦心しているマクロン大統領は、まだまだ会合を続け、メディアも毎日別の候補者を紹介している。いつまでも終わらないババ抜きを見せられているようだ。