フランス版接触確認アプリの現状

投稿日時 : 2020/06/11 17:30

「アプリ“StopCovid”は、国民の2%だけが有効化、期待外れの始動」
Le Monde紙のサイトより。

フランスでの公開から一週間たったCovid-19接触確認アプリ、StopCovid。導入前は、メディアや国会でも議論されていたが、ふたをあけてみれば、一週間たって、インストールしてアクティベートしたのは国民のわずか2%だという。

参考数値として、オーストラリアで同様のアプリが公開されたときは同じ期間で国民の8%がアクティベートしたという。

これには感染拡大が抑えられており、以前ほどの緊迫感がないことや、やはりフランス人は個人情報の漏洩のリスクに敏感であるとかなどの理由が挙げられている。さらに、問題となってくるのは、ダウンロード数やアクティベートされた数ではなく、日常的に常に有効化されている(常にブルートゥースがオンの状態)数で、この数がある程度多くないとウィルスの感染の状況を把握することはできないという。

政府は近々、このアプリを推奨する告知キャンペーンを始める予定という。

さらに、別の問題も取り沙汰されている。このアプリの開発や公開までは、働いていたのは公務員や民間の有志機関だったので、税金は使われていないというが、公開以降の運用については、民間の運用会社から国に請求がきて、国の予算から支払われるという。Le Mondeの記事によると、この運用費は通常の金額よりも高いが、運用会社はノーコメントで、他の関係者からも金額について返答が得られなかったという。

このアプリの運用費(税金)と国民の健康への効果、このバランスを国も国民もどう判断するか。

パリ市長はパリ市の規制解除を早めるように要求しており、マクロン大統領も日曜の夜にテレビ演説をすると発表。フランスは確実に「新しい生活」、そしていつものバカンスに向かっているようだ。Covid-19の第二波、あるいはCovid-20が出てこないとこのアプリも使われなくなるかも知れない。