フランスでは入院拒否はないが、医療従事者がワクチン接種拒否

投稿日時 : 2021/09/15 17:30

「ワクチン接種義務で警戒する病院」
9月15日付けのLe Monde紙の紙面。

8月からすでの政府が予告していたが、9月15日から、ワクチン接種を拒否する医療従事者は働くことができず、給料ももらえなくなる。

ワクチン接種が進み、大規模接種会場の閉鎖や再編が話題になり始めたフランス。高齢者から三度目のワクチン接種も始まっているフランス。それでも、さまざまな主義主張からワクチンを打たない人たちの声も大きくなっている(ように報じられている)。

9月7日の時点で国の発表によると、フランスの医療従事者で最低一回のワクチン接種を受けたのは88.1%という。7月中旬では70%というから、それなりに進んでおり、さらに最新の情報では地域や病院によっては、95%近いともいわれている。ぎりぎりまで、組合や団体がワクチン接種義務に反対するデモを行っているが、背に腹はかえられずで、給料も得られないとなるならばとワクチンを打ち始める人もいる。

そして保健省の試算によると、医療従事者や老人ホーム勤務者などでワクチン接種をしていない人はフランス全土で30万人ほどいるという。こうした人たちが今後どのくらいワクチンを打つのか、あるいはどうしてもワクチンを打たない人たちの代わりが見つかるのか。

フランスから見ると、「自宅療養」という入院拒否をされている人が数万人もいる日本は信じられないが、日本からみると、医療従事者でワクチン接種を拒否する人がいるばかりか、その人たちがデモをするなどするフランスも信じられないだろう。

ちなみに、ワクチン接種義務の対象は、厳密には「医療従事者」ではなく、医療機関勤務者で、事務員や清掃員、調理人なども含まれる。