猛暑は季節の話題でもなく、「想定外」でもない。

投稿日時 : 2022/08/02 17:30

「政権が準備するエネルギーの節制とは」
Le Figaro紙のウェブサイトより。

パンデミックの第七波が収まりつつあるフランスでは、むしろ新しい猛暑の波が恐れられている。

気温だけではなく、それによる乾燥・水不足での農作物などの被害、愉快犯も含めた山火事。そして、実感する気候変動。

そしてロシアからのガスの供給不足もあり、すでにこの冬の心配も語られ始めている。政府や国会でもすでに国民の「購買力」を支えるための具体的な支援策も出されているが、その一環として、最近、フランスで話題になっているのが、「エネルギー(光熱費)の節制」
という言葉だ。

フランス語では、「Sobriété énergétique」で、節制・謙虚さ(sobriété)をあらゆるエネルギーに適用させようというもので、調理や暖房のためのガス、あらゆる電力、ガソリンや軽油なども含めた全ての「エネルギー」、つまり自然の産物の消費・浪費を節制しようという動きだ。

日本で大企業などが掲げている「SDGs」というレッテルとは違い、フランス語では抽象的ではあるがすぐに想像がつく「エネルギーの節制」という考え方は、ここ数年のフランス社会の流れで、受け入れられる概念のように聞こえる。

これは単なる環境問題というだけではなく、経済の問題でもあり、社会の問題でもあり、生活の問題でもある。エネルギーを節制することは、地球にも優しく、家庭の懐にも優しく、社会的不平等も考慮するような考え方だろう。

マクロン大統領も、7月14日の演説で、「節制の考え方・仕組み(logique)にみんなで入らないといけない」と語っており、9月の新年度以降、政府がどのような具体策を提案し、国会でどのような議論がされるだろうか。